機能訓練士と機能訓練指導員の違いとは?厚生労働省の資料から調べてみた
こんにちは@hitokutokumeiです。今回は紛らわしい名前の件を記事にしました。
機能訓練士と機能訓練指導員
通所介護(デイサービス)を運営するためには常勤職員として機能訓練を行うスタッフが必須です。この機能訓練を行うスタッフのことを「機能訓練士」と言ったり「機能訓練指導員」と呼んだりします。
先日、同僚の介護士さんから「機能訓練士と機能訓練指導員は違うものなの?」と質問がありました。この2つには違いはあるのでしょうか?
結論から申し上げますと、違いはありません。なるために必要な資格や仕事内容、待遇も変わりありません。機能訓練士も機能訓練指導員も同じ職員のことを指します。なぜか2つの名称があるのです。
正式名称は機能訓練指導員
こちらのように厚生労働省の資料などから正式名称は「機能訓練指導員」であることは間違いありません。機能訓練士は誤った名称です。
厚生労働省のウェブサイトで機能訓練士と機能訓練指導員の2つをそれぞれ検索を行った結果、機能訓練指導員はヒットしますが、機能訓練士では資料は見つからず、一文字違いの「視能訓練士」が検索結果に表示されます。
私のブログ名も「機能訓練指導員の柔道整復師」とそのままです。
なぜ機能訓練士と呼ぶようになったのか
なぜ誤った名称である機能訓練士が一部に広まったのか、はっきりとした由来はわかりませんでした。想像になりますが機能訓練指導員を機能訓練士と周囲が間違えやすい状況があったからだと考えられます。
考察① 他の○○士と混同した
機能訓練指導員になるために必要な資格は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師そして一定の実務経験を有する鍼師灸師のいずれかです。
この中でも理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はリハビリテーションにおいてメジャーな3職になります。当然、介護の現場でも機能訓練指導員としてたくさん働いています。
そこで周囲の職員が資格の名前と職種の名前を混同して「理学療法士だから機能訓練士」のように誤解したのかもしれません。
考察② 職種や資格の名称は「○○士」という先入観
介護関連の資格は介護士や介護福祉士、社会福祉士のように○○士となります。
先ほどの考察でも列記しましたが、職種や資格の名前は○○士(または○○師)となることがほとんどです。つまり名前の最後は「士」で終わるという思い込みがあったせいで機能訓練指導員を機能訓練士だと勘違いしてしまったのかもしれません。
機能訓練士と呼んで不都合はあるのか?
私の働いている施設では機能訓練士で通ってるよ!機能訓練指導員とは言わない!
という方もいらっしゃるかもしれません。普段の事業所内での会話などで機能訓練士と呼んでも、それで通じるなら不都合はないでしょう。
しかし、外部での紹介や求人募集、ケアマネージャーに提出するモニタリングなどの文章等に機能訓練士と呼んでしまったり、書いてしまうと恥をかいてしまう可能性があります。
正式名称は「機能訓練指導員」であるということは頭の片隅に覚えておくといいと思います。