個別機能訓練計画書の書き方
個別機能訓練計画書とは
機能訓練指導員の重要な事務仕事が個別機能訓練計画書の作成です。個別機能訓練計画書とは生活機能の維持又は向上を目指し機能訓練を実施するための計画を書面に起こしたものです。利用者個人のニーズに合わせたリハビリのプランということです。
個別機能訓練計画書の書き方
厚生労働省が配布しているひな形を使用して記入方を見ていきます。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000080901.pdf
厚生労働省 ひな形 6ページ目
基本情報
作成日
- 初回の場合は利用開始日と同じとなります。
- 継続の場合は前回作成した個別機能訓練計画書の作成日から3か月後の日数です。
前回作成日
- 前回作成した個別機能訓練計画書の作成日です。
計画作成者
- 機能訓練指導員の氏名を書きます。
氏名・性別・生年月日・介護認定
- 利用者の情報を記入します。
- 介護認定には要支援1~2、要介護1~5のいずれかか申請中と記入する。
管理者・看護・介護・機能訓練・相談員
- それぞれのスタッフの印鑑を押印するスペースです。
本人の希望
- アセスメントで聞き取った利用者本人の考え・思いを記入する。
- 「自立した生活を送ること」や「外に出て体を動かすこと」などが多いです。
家族の希望
- 同じくアセスメントで聞き取った利用者家族の考え・思いを記入する。
- 独居など場合は空欄となる。
- 同伴されておらず家族の希望を聞き取れなかった場合は担当のケアマネージャーに連絡する場合もあります。
障害老人の日常生活自立度
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000077382.pdf
厚生労働省 こちらを参考に1つ選ぶ。
- 正常 J1 J2 A1 A2 B1 B2 C1 C2 のいずれかにチェックを入れる。
- 生活に苦労していない場合は正常。
- C1とC2はいわゆる寝たきり。
認知症老人の日常生活自立度
https://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-11-11d.pdf
厚生労働省 こちらを参考に1つ選ぶ。
- 正常 Ⅰ Ⅱa Ⅱb Ⅲa Ⅲb Ⅳ M のいずれかにチェックを入れる。
- 認知症ではない場合は正常。
- ローマ数字が増えるほど重度の認知症となる。
- しばしば本人や家族が認知症であることを認めていない場合があり、そのときは記入しないか、そもそもこの記入欄を削除しておく。
病名、合併症
運動時のリスク
- 血圧の高低や体力、骨粗鬆症による易骨折性、転倒リスクなどを記入する。
生活課題
- 転倒や歩行が遅いこと、段差につまずくなど利用者本人が気にしている点を記入する。
- アセスメントを取るなかで機能訓練指導員が気が付いた生活の改善点も記入する。
在宅環境
- 生活課題に関連する在宅環境の課題を記入する。
- 手すりや段差の有無、介護用ベッド、自助具を使用などを記入する。
個別機能訓練加算Ⅰ
身体機能の向上を目指すことを中心に目標・プログラムを考える。
長期目標
- リハビリを行う上での長いスパンでの目標。3か月後達成を目指す。
- 利用者の希望と機能訓練指導員の相談のもと決定する。
- 足が不自由で閉じこもり気味であれば、手すりでつたい歩きできるようになる、など。
短期目標
- リハビリを行う上での短いスパンでの目標。1か月後達成を目指す。
- 同じく利用者の希望と機能訓練指導員の相談のもと決定する。
- 足が不自由で閉じこもり気味であれば、下肢の筋力を向上すること、など。
プログラム内容・留意点・頻度・時間・主な実施者・プログラム立案者
- 具体的なリハビリプログラムを記入する。
- プログラム内容にはパワーリハビリや体操などをどのような意図のもと実施しているか記入する。
- 留意点はそれぞれのプログラムによる転倒リスクや血圧の上昇の可能性など注意点を書き込む。
- 頻度はプログラムを何回行うか記入する。体操なら1日1回、マシントレーニングであれば10回を3セットなど。
- 時間はプログラムの実施時間を10:00~10:30のように記入する。
- 主な実施者とプログラム立案者には機能訓練指導員や介護職員の名前を記入する。
個別機能訓練計画書Ⅱ
生活機能の維持・向上を図るために目標・プログラムを考える。
長期目標
- リハビリを行う上での長いスパンでの目標。3か月後達成を目指す。
- 利用者の希望と機能訓練指導員の相談のもと決定する。
- 足が不自由で閉じこもり気味であれば、一人で外出して買い物をできるようになること、など。
短期目標
- リハビリを行う上での短いスパンでの目標。1か月後達成を目指す。
- 利用者の希望と機能訓練指導員の相談のもと決定する。
- 足が不自由で閉じこもり気味であれば、家の二階に上るため段差昇降ができること、など。
プログラム内容・留意点・頻度・時間・主な実施者・プログラム立案者
- 具体的なリハビリプログラムを記入する。
- プログラム内容には個別の機能訓練をどのような意図のもと実施しているか記入する。
- 「買い物に行けるようになるために、屋外歩行を練習する」など。
-
主な実施者は機能訓練指導員である必要がある。
-
留意点・頻度・時間・プログラム立案者は前記と同じ。
下段
特記事項
- 書ききれていない利用者の情報を記入する。
- 「認知症により徘徊に注意する」「怒りやすく暴力行為を行う可能性がある」「入院により一時的に機能訓練を中止」など。
プログラム実施後の変化(総括)
- 作成3か月後に利用者のリハビリの成果を記入する。
本人氏名・家族氏名
- ここまで作成した個別機能訓練計画書を利用者本人と家族に説明した後、同意のサインを書いてもらう欄。
介護支援専門員/事業所
- 担当ケアマネージャーの名前欄。
- コピーを送る。
事業名・住所・郵便番号・事業所NO.・電話番号・管理者・説明者
- 事業所の情報をあらかじめ記入しておく。